年齢の計算のしかた

明けましておめでとうございます。

私が小さいころ、明治生まれの祖母が正月になるとひとつ年を取るのでいやや!!
と言っていました。これは「数え年」で計算すると正月がくると年が上がるという考え方ですが、現在数え年で計算するのは競馬の馬ぐらいです。
今は誕生日がくれば1歳年を取ると言っていますが、それは正しいのでしょうか?

年末調整の時に税務署から送られてきた冊子(あいにく今回から郵送省略されています)「年末調整のしかた」の8ページでは、

年齢は、本年12月31日の現況により判定しますと書かれています。

また、同9ページでは、

控除対象扶養親族は平成19年1月1日生まれも令和4年12月31日では16歳以上と言っています。
特定扶養親族も19歳以上で平成16年1月1日生まれは該当します。

同10ページ、老人扶養親族も昭和28年1月1日生まれも70歳に該当します。

「12月31日の現況」と言っていながら、1月1日生まれが入ることになぜとは思いませんか?

その答えですが、年齢の計算の仕方を定めた法律がありますので、少々読みにくいですが参考として以下に記載します。

明治三十五年法律第五十号(年齢計算ニ関スル法律)

 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス

 民法第百四十三条ノ規定ハ年齢ノ計算ニ之ヲ準用ス

 明治六年第三十六号布告ハ之ヲ廃止ス

解説すると、明治35年法律第50号(年齢計算ニ関スル法律)により、年齢は出生の日より計算することになっていますので、満1年が経過するのは、誕生日の前日の終了をもって満了します。

以上のことを実際の問題に当てはめると、1月1日生まれは出生の日(1月1日)から計算するので同年の12月31日の終了をもって満了し1年になるので、12月31日で1歳加算されます。その結果、控除対象扶養親族(16歳以上)、特定扶養親族(19歳以上)、老人扶養親族(70歳以上)も1月1日生まれまで含まれることになります。

今は誕生日を迎えてひとつ年を取るといいますが、誕生日の前日の終了で満1年が経過するので、誕生日の前日に年を取ることになり、誕生日からではありませんね。

この記事を書いた人 住吉区遠里小野 税理士 中田一人

【年始の住吉さん(住吉大社)の賑わい】

今年はウサギが跳ねるように良い年になりますように・・・。