「手造りの日本酒をいただきました!」
2月の初めは忙しい。本業で言えば年末調整、法定調書等の業務が終わってホッと一息つく間もなく所得税の確定申告の準備が始まる。
節分には豆撒きをして恵方巻と厄除まんじゅうを食べる。憧れのさっぽろ雪まつり(この仕事をしている限り絶対に現地には行けないだろうと思うととても切ない)のニュースも見逃せないし、バレンタインデーには義理チョコも配らなくてはならない。
遅めの新年会とか繁忙期突入前の早めの陣中見舞いと称してお誘いいただく飲み会にも適当に顔を出さなければならない。
そんな2月の初めに私は毎年一つ年齢を重ねる。
いつもは何となく過ぎていくバースデイであるが、今年は関与先の社長さんからとても素敵なプレゼントをいただいた。なんとご夫婦で手作りされた日本酒、それも私の大好きな微発泡濁り特別純米酒をいただいたのである。
「100人ではぐくむ名前はまだ無い日本酒」という丹波篠山の里山づくりプロジェクト「ミチノムコウ」にご夫婦で参加されたそうで、3月~11月までほぼ1年かけて酒米を育て地元の酒蔵でとっておきのお酒にしてもらう。
3月「隅掘り(すまぼり)」
トラクターを入れるために、田んぼの隅を人の手で掘り起こす
4月「水張り」「畦塗り(あぜぬり)」
田んぼに水を入れトラクターで田起こし。水のもちを良くするために、畦(田んぼの周囲)に土の堤防をつくる
5月「田植え」
田んぼに入り、一つひとつ手で植えていく
6月「中干し」
土中の有害ガス(メタンなど)を抜き、根に酸素を供給することで根の活力を高める
7月「穂肥(ほごえ)」
茎の中からさやを割って緑色の穂が出てくる「出穂(しゅっすい)」の前に肥料を散布
9月「稲刈り」「脱穀」「籾摺り」
みんなではぐくんできた稲を鎌で刈り、竹で稲木を組み天日干しにする。
適正な水分量を確かめようやく玄米にする作業に入る。
その後等級検査を経て酒米として酒蔵へ。11月中旬には酒蔵見学(さすがに酒造りの工程は見学するだけらしい)、そして12月には地元の蔵元「狩場一酒造」による特別純米酒が届くそうである。
お酒の名前は9月頃にメンバーから募集、採用されるとラベルになってボトルに。
ちなみに私がいただいた2022年の「ユメノツヅキ」は奥様が考えて応募採用された名前だそうである。
この会社は大阪で美容室を多店舗展開するお酒とは全然関係のない業種であるが、ご夫婦共々日本酒好きということで参加されたプロジェクトで「日常では交流しえない仲間と田植えや稲刈りを通してモノづくりの醍醐味を体感することが出来た、出来上がったユメノツヅキは丹波の恵みが詰まった想像以上の美味しさで…この次は是非一緒に」と熱心に誘っていただき、「はい!ありがとうございます!楽しみです!」と明るく元気よく答えた。
ユメノツヅキは本当に美味しかった。でも私は完成した特別純米酒をお部屋でゆっくり味わうのが好きなのよ~是非またプレゼントを!という心の声が届いていたら嬉しいんだけど。
この一年、「同じやるなら明るく楽しく」をモットーに、また来年のバースデイには美味しい手作りのお酒を楽しめるように元気で過ごしたいものである。
この記事を書いた人:住吉区我孫子東 税理士 瀬古順子