スーパースター大谷翔平がアメリカの法律を変える?

 こんにちは。暑さ寒さも彼岸までというように、今年の暑かった夏もようやく9月の後半になってひと段落ついたような気がします。

 そんな中、アメリカ大リーグのロサンゼルス・ドジャースに所属している大谷翔平選手が今シーズン、前人未到の「50-50」(本塁打50本以上、盗塁50個以上を記録すること)を達成したというホットなニュースが飛び込んできました。

 しかもまだまだ個人記録を伸ばしている一方、チームも地区優勝そしてワールドシリーズ制覇に向けてヒリヒリするシーズンの佳境を迎えているので目が離せません。
 大谷選手の活躍は、ファンだけでなく世界中の人々に元気と希望を与えてくれていることでしょう。同じ日本人として誇らしいですね!

そんな大谷選手ですが、収入もケタ違いです。

昨年12月にドジャースと10年総額7億ドル(日本円で約1,015億円)、北米のプロスポーツ史上最高額という超巨大契約を結びました。これに加えてスポンサー収入もありますから、合計収入はどれくらいになるのか想像もつかない数字ですね。

 さらに世間をびっくりさせたのは、7億ドルのおよそ97%を契約終了後に後払いで受け取ると発表したのです。(2034年から2043年の10年間)

 この目的は球団の年俸総額が一定の金額を超えると、球団に対して「ぜいたく税」が発生するので、それを回避して余った資金を補強に回すためといわれています。

 一方、大谷選手にとっても、現在のカリフォルニア州の税率はかなり高い[i]ので、10年間で2000万ドルのみ受け取って、残りの金額を2034年以降に税率が低い他の州や国へ移住してから受け取れば大きく税負担が軽減できる可能性があるのです。

 しかし、それに対して待ったをかけたのが、同州の会計監査官マリア・コーエン氏です。

 現行の法律でいくと大谷選手が他の州に移住すれば、同州は約9800万ドル(約142億円)の税収を失う可能性があるという試算をもとに、「現行の税制では、最高税率にあたる幸運な人々に対して無制限の延期が許されており、税制において著しい不均衡が生まれている」という声明を発表し、議会に法改正を求めています。

 もし法改正が実施されると、大谷選手が他の州や国に移住しても、同州から課税される可能性があるかもしれません。

 アメリカの法律までをも変える可能性があるスーパースター大谷翔平…

 彼の持つ影響力は計り知れないものがありますね。


[i]  ともに最高税率となるアメリカ連邦税37%とカリフォルニア州税約13%の計50%超が適用

この記事を書いた人  住之江区浜口西 西村拓真